UA-149918157-1
自動車業界

【社会人の回答例】トヨタ自動車のES志望動機

トヨタ自動車について

トヨタ自動車株式会社といえば、言わずもがな日本を代表する自動車会社です。最近ではテスラに時価総額を抜かれてしまったというニュースもありましたが、Fortune Global 500 2020(https://fortune.com/global500/)を見てみると、Revenueベースでは依然として自動車業界では世界2位に位置付けていますし、販売台数もVWを再度抜いたこともあって、まだまだ世界と戦える企業であることには間違いありません。トヨタ自動車のCEOである豊田章男さんは、数多くいる経営者の中でも責任を持った発言をされていますし、経営手腕も一定の評価を集めている方なので個人的に好きな経営者の一人です。

ただ、製造業全体に言えることかもしれませんが、利益確保のための徹底した下請け業者からのコストカットは現在限界に近づいているのではないかと個人的に感じています。営業として私も製造業の現場〜役員の方と会話もしますが、旧態依然のやり方が社内的に評価されてしまうことも多く、会社が大きく変わらないと抜け出せなくなっているのだと思います。もちろんITによるある種のコストカットブレイクスルーはあるかもしれませんが、大企業であればあるほど、その導入は遅れますし、複雑な既存システムにより効果も限定的になってしまうことが多いと思われるのであまり期待はできません。モノを作る力もどんどん新興国がつけてきている現状を鑑みても、ただモノを作るだけでは厳しいのは明白です。トヨタの目指す未来のモビリティ社会を創造していく中で、新たな価値を提供できるサービスが数多く生み出されることを期待したいと思います。

一般的な学生のES(志望動機)回答例

ここで書く志望動機は今まで数えきれないほどの学生のESを添削してきた中で、ありがちな文章をまとめて自分で作成しています。そこからどんな改善ができそうかを一緒に確認していきたいと思っています。添削ポイントの観点を理解していれば理解しているほど、自分一人でもある程度完成度の高いESを作成できるのでぜひ参考にしてみてください。基本的に400字程度で作成しています。

トヨタ自動車株式会社

私は、人がより便利な生活ができ、環境にも優しい持続可能な社会を創りたいという人生の目的があります。その目的に合った仕事を貴社であれば従事できると考え、この度志望いたしました。

私の父親が発展途上の国に単身赴任していた関係で、幼少の頃からその国の変遷をこの目で見てきました。昔では考えられないほど、現在ではインフラが整備され、生活が豊かになっていました。ただその一方で一部の地域では環境汚染が深刻かしている現状を知り、これからの社会をより素晴らしいものにしたいと思ったのが、人生の目的を考えるきっかけでした。

しかし、その社会の実現には社会的影響力の大きい関係業界といかに協力関係が構築できるかが重要であると私は考えています。それを唯一可能としている企業が貴社だと私は思っています。「ウーブン・シティ」構想の発表はまさにその一例です。

ぜひ貴社に入社してこの取り組みの一翼を担いたいと考えています。(395字)

※無断転載禁止

添削ポイント

・まず、人生の目的を語ることを私はおすすめしています。社会に出て働くということは、必ず何か社会へ価値を提供することに繋がります。だからこそ自分に向いた願望ではなく、社会に向けて何を実現したいか・何を変えていきたいのかを書いた方がいいと思っています。その目的に向かう延長線上に志望する会社があって、そこの会社でビジネスをすることが自分の人生の目的に自ずと繋がっていくという理論です。私はこの書き方が好きなので現役時代から社会人になって添削をしている今でも採用しています。自己分析をしっかりやってこの人生の目的が明確になっている人は面接でも強いです。面接官も学生の話し方・表情などでだいたいどのくらい準備をしてきて志望度もどのくらいか分かってしまいます。だからこそ人生の目的とその根拠となる経験などを具体的に述べることができると、「あ、この子は他の学生とは違う」となって、評価に繋がりやすいです。実は私と同じような考え方を宇都宮隆二さんという方もしています。今はYoutuberとして活動されていますが、かつてはSAP Japanの本部長クラスで活躍されていました。私も尊敬する方で、一度動画もみていただきたいですね。

・発展途上国での実体験を語っていますが、正直なところ誰でもありそうな体験と感じてしまいます。たぶん10人の学生からESをもらったとして、リアルに3人くらいはこのような文章を本選考でも書いていそうな気がします。私もよく似たようなES添削を今まで何回もしていたので。トップレベルの学歴があればまた別ですが、もっと自分しか体験しなかったようなことを書かないと説得力がなく、他の優秀な学生とは戦えません。それには徹底した自己分析が必要です。今回は自己分析の結果、これとは異なる人生の目的(車と感動をテーマに)が出てきた前提で、下記に書き直したESを作成しています。

・「ウーブン・シティ」はキャッチーなワードなので、安易に飛びついた感が出て、おそらく相当他の学生と内容が被ります。そうなると数あるESに埋もれてしまって書類選考落ちもあるかもしれません。ただこの構想自体は世界からも注目されていますし、私個人としてもその試みは応援したい内容です。なので他と被るから書いてはいけないのではく、構想の詳細を理解してよりピンポイントにやりたいことを言ってみるのはどうでしょうか。

・社会的影響力の観点で、自分の考えを入れることはok。その考えを人事担当者が読んでなるほどねと少しでも思わせれば、優秀かもしれないから面接呼んで見ようかなとなるかもしれません。適切に自分の考えも織り交ぜながら書いてみるといいかなと思います。

一社会人による回答例

さて、これまで添削ポイントを解説してみました。自分で書いていて思うのですが、それらの指摘を改善しようと思うと大変ですね。。自分で言っているのにいざ書こうとするとやはり難しいです。ですが就活生の皆さんのためにも頑張って書いてみようと思います!

トヨタ自動車株式会社

私は車を通じて、人々に感動体験を提供したいという人生の目的があります。それを実現できる唯一の会社が貴社であると考え、志望いたしました。

私が幼少の頃、父親は発展途上国へ単身赴任しており、日本への帰国は年に数日ほどの環境でした。ただ、帰国をすると必ずドライブに連れて行ってくれ、その時に過ごせた時間と感動は生涯忘れることのない経験となりました。そのため幼い頃から自動車業界で働きたいと考えており、私と同じような車を通じた感動を与えられる仕事に従事したいと思っています。

特に貴社はNTT様との業務資本提携により、唯一無二の感動体験を将来的に提供できると考えています。「IOWN構想」はその提携の中でも中心となる取り組みの一つと考えますが、その技術が可能となれば車の中で光や音だけでなく、臨場感まで再現され今までにない感動を生み出すことができると思います。

私はぜひこの取り組みの一翼を担いたいと考えています。(400文字)

※無断転載禁止

いかがでしょうか。私が個人的に気になった箇所を意識して作成してみました。もちろんESに正解はないのでこれが正しいとは絶対に思わないでください。むしろ批判的に評価する中で、自分のESと比較をしてブラッシュアップしていくのがいいかなと思います。軽くポイントを説明します。

・感動した体験をどういう表現にしようか迷いましたが、トヨタのグループ会社でも「感動体験」という言葉が使われていたので、それをそのまま利用してみました。その会社が使っている言葉に合わせていくと、読み手側がすんなり読んでもらえるので意識してみました。

・途上国での実体験はもう少し車と感動にフォーカスして、他の家庭にはない環境なども織り交ぜながら書いてみました。(一応言っておきますがフィクションです。皆さんは嘘を書いてはいけませんよ)でも今はこんな環境のご家庭も多いのでしょうかね…。私もよくわからないのですが、もう少しユニークさが欲しいと思いながら書いていました。

・「ウーブン・シティ」構想の箇所は、ITの側面からあえて語ってみました。理由は2点です。①この技術が実現できるか否かで「ウーブン・シティ」構想の成功が決まってしまうほど重要な取り組みであると個人的に考えたためです。ここを語らずして「ウーブン・シティ」は語れないでしょう。②ITのことに詳しくない面接官を相手にする可能性があるので、そこをしっかり語れると評価されると考えたためです。正直「IOWN構想」はトヨタの中の人でもきちんと理解していないのではないかなと思っています。技術的にみても一言では語れないと思うので、そこを面接で丁寧に語ることができ、「なるほど勉強になるな〜」と面接官に思わせることができれば有利に選考を進めることができるという戦略です。とはいってもこれには弱点があって、じゃあIT業界の方へ行ったら?とかのオブジェクションです。そこは対策次第なのでここでは省略します。

業界・企業研究をさらに深めるなら

皆さんに書類選考は全通過を目指して欲しいと思っていますが、私が書いたESも必ず通るものではありませんので参考程度にご覧いただければと思っています。またすでにネット上で誰でもみれる情報なので、私の書いたものもすぐに陳腐化します。そのまま利用することはおやめください。

このESを書くにあたって業界・企業研究も少し行いましたが、正直なところ現役の頃は5~10倍はやっていたなと思います。もしそこで悩まれている方がいらっしゃれば、以下のことを試してみてください。

  • 新聞を読む

これは大前提のことなのですが、意外とやっていない人が多いです。今社会で起こっていることを知らなくて、業界や企業のことがわかるはずありません。日経でも読売でもなんでもいいのでまずは毎日読みましょう。

  • 業界地図を読み、理解を深める

ある程度社会のことがわかれば、就活用にまとまった業界地図をみて理解を深めるといいと思います。丁寧にまとめられているので私も毎年購入しています。

  • OBOG訪問をして、リアルな情報を手に入れる

業界・企業研究で差をつけようと思うと、これが重要になってきます。OBOG訪問にもコツがあって、「〇〇という情報から現状はこうなっているのではないかと考えているんですけど、実際の現場はどうですか?」というような自分が知り得ている情報と現場の情報との差という観点で聞くといいと思います。それが新たな気づきに繋がって、業界・企業研究が深まるので一度試してみてください。